スマホで顔の動画を取るだけで最大15種類のバイタルサインを読み取るアプリ「Binah.ai」とは!?
コロナウイルス後、世の中の感染症対策や健康管理に置ける意識は急激に高まってきている中、サーモグラフィーを活用し遠隔で体温を図るカメラソリューションや、スマートウォッチでの行動履歴管理などIoTを駆使したソリューションへの注目が高まってきています。
今回は人の表情から最大15種類のバイタルサインを読み取るソリューション「Binah.ai(ビナードットエーアイ)」を紹介しようと思います。
【Binah.aiの会社について】
イスラエルのAIソフトウェア会社
CEOのDavid Mamanはこれまでに2社(Teridion,Hexa Tier)とクラウドデータサービスの会社を立ち上げており、Binah.aiその後2016年に立ち上げたAIのソフトウェア会社です。Binah.aiはこれまでに数々の受賞を経験しており、2020年の6月にはSeriesBとして約13.5Mドル(1.4億円)の資金調達を完了しているとの。さらに驚くことに、2020年のCESではInnovation Awardを受賞しており非常に注目されている企業です。
これまでの受賞例:
- Best Digital Health Innovation
- Outstanding Achievement in Technology
- CES 2020 Innovation Award
- the NTT Data Grand Champion at the 10th Open Innovation International Contest 2020
【Binah.aiとはどんなサービスか】
人の顔のビデオ映像から最大15種類のバイタルサインを読み取る製品
人の表情の画像から心拍数、酸素飽和度(SpO2)、呼吸数、心拍変動(HRV)、メンタルストレスレベル、血圧(実装予定)などといったバイタルサインを取ることができるようです。
どんな技術を使っている?
Binah.aiではrPPG(Remote Photopletysmography)という技術を使って皮膚表面の血管組織の血液量の変化などを検知し、様々なバイタルサインを読み取っているようです。
rPPG(Remote Photopletysmography)とは
rPPGというのは、私たちの身の回りではスマートウォッチなどといった製品に広く採用されている技術らしく、時計の裏面から照射される緑や赤のLEDが皮膚化の血管組織で反射され、その際の鏡面反射や拡散反射などからバイタルサインを認識することができるようです。
余談ですが、PPGにはLEDの色によって取得できるデータに違いがあ流のはご存知でしょうか。
緑のLEDは図のように波形が短く、動きに強い為、ランニングのような運動をしている時でも正確に情報を取れるのが特徴です。しかし一方で緑のLEDは皮膚内に浸透できる深さに制限があることや、皮膚の色(あるいはタトゥーの有無)によっては正確に取れない可能性があるという欠点もあるようです。
赤のLEDの場合、緑のLEDと比べて10倍の深さまで皮膚内に浸透することができるため、手首などに装着することで、臨床学的な生体情報を正確に取れることができるようです。また赤の特性上、タトゥーや色の濃い皮膚、あるいはそばかすなどのようなものがあっても特に問題なく情報を取ることができきます。一方で赤のLEDは動きに弱い為運動中の心拍数を取るといったことには向いていない。さらに外部環境のノイズに非常に敏感な為、データは数分おきの頻度で取得することが好まれ、運動中のリアルタイムな心拍数を取るような用途には向いていないとのこと。
【提供モデルは?】
現在Binah.aiからは「SDK(ソフトウェア開発キット)」と「プラットフォーム」の2種類の提供があります。
SDK(ソフトウェア開発キット)
ビデオデータによるバイタルサインの測定機能を組込むためのSDK(iOS用、Android用)が提供され、その後お客様のモバイルアプリとして使用することができます。カスタマイズされたアプリを使用し、インターネット接続なしでも健康診断ができます。
プラットフォーム
すでに用意されているクラウドサービスで、ロゴや機能などカスタムできるものを使用することができるようです。
最後に
これらがうまく広まれば、ビデオ通話での面談で健康チェックができたり、飛行機搭乗前のお客様健康管理、トラック運転手のストレス状況などをリアルタイムで見ることができ様々な事故を未然に防ぐことにも繋がることだろう。他にもジムや、保険関係などユースケースは非常に幅広くなりそうですね。
・Binah.aiは非接触で、映像をベースに健康状況を読み取れるAI製品
・将来的にはドクターとテレビ通話で初期治療を受けたり、保険会社への応用、ジムでの体調管理サービスなど幅広いユースケースがある
・Binah.aiから提供されるSDKで、カスタマイズされたモバイルアプリ作成が可能